有害有毒プランクトンの生理生態学及び生物学的制御に関する研究
近年, 有害・有毒藻類による被害を軽減・防止するために, 有害・有毒藻類を殺滅する微生物を用いた生物学的防除法が着目されており,殺滅する微生物がコンブ等の海藻やアマモ表面のバイオフィルム中に高密度で生息するという新事実も明らかにされつつある。本研究では, 北海道のアマモ場や藻場において有害・有毒藻類に対する増殖阻害細菌を探索し, 強い効力を持つ細菌の増殖阻害活性を実験で検証する。
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221号室
○学術振興の観点から目指す目標
・有害有毒プランクトンの個体群動態に影響を与える要因については,これまで水温,塩分,栄養塩類等の物理・化学的なものが主体に検討されてきたが,生物学的要因の研究は乏しく新たな貢献が期待出来る。
・北海道周辺の魚介類生産と一次生産を結ぶ動物プランクトンについて,群集構造や種組成,経年変動に基づく長期変動等に関する知見の充実を図る。
○地域振興の観点から目指す目標
・貝毒の原因となる有毒プランクトン種について,その制御者の殺藻細菌群を大量に涵養するアマモ場や藻場が,有毒プランクトンによる貝の毒化から二枚貝養殖を守る手段の構築に向けて期待される。
・北海道周辺で大量捕獲される浮き魚類の資源変動のメカニズムについて,餌である動物プランクトンの観点から考察するのに必要な生態系のデータを供給する研究である。