Hakodate Research Center for Fisheries and Oceans

〒040-0051 函館市弁天町20番5号
TEL0138-21-4600 FAX 0138-21-4601

お問い合わせフォーム

入居者紹介

212~219号室

国立大学法人 北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター

連絡先:
TEL 0138-85-6625(センター内・生態系変動解析分野分室代表:FAX兼用)
関連リンク:
北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター
本社等所在地:
北海道札幌市北区北11条西10丁目

本センターにおける主な研究テーマ

  • ・海洋生物動態の定量的可視化
  • ・定量的可視化を実現するための各種モニタリングシステムの開発
  • ・定量的可視化技術の応用(海洋生物資源量推定、生態学的研究など)

研究の概要

海洋生物の定量的可視化

計量魚群探知機による海中林繁茂状況の可視化
海洋生物が「どこに」「どれだけ」生息しているのかを調べるうえで障壁となるのが、海水による光の減衰が激しいことです。そのため、3次元構造を持つ海洋のほとんどが不可視領域となり、目視による海の俯瞰図(ふかんず)を得ることができません。
目視に頼らない海洋生物の調査方法として、海水による減衰が少ない超音波を用いた音響計測手法(計量魚群探知機・ソナー等)が広く利用されております。超音波を海中に発信し、海洋生物等からの反射量を解析することで、定量的に生物量を推定します。
我々の研究グループでは、音響計測技術のみならず、様々な技術を駆使することで、広範な海域を効率よく調査し、海の俯瞰図を作成することのできる一連のシステムを提唱し、数多くの現実的なフィールド調査に適用しています。
さらに、海の俯瞰図を作成するだけにとどまらず、これを用いた水産生物資源量の推定や、海洋生物の生態学的研究の推進も行っています。

研究が目指す成果

「持続可能な開発に関するヨハネスブルグ宣言(2002年)」で提起されたように、近年、世界各地で行われている過剰開発等により、人類の存続を脅かしかねない諸問題(資源の枯渇、地球温暖化、人口爆発など)が深刻化しています。海洋生物資源についても乱獲等による資源枯渇が問題となっていることに疑う余地はありません。
このような状況において、将来へ向けた的確な海洋資源利用への提言を行うためには、企業活動の評価におけるトリプル・ボトムラインに代表されるように、多元的なモニタリング(可視化)を行い、人間活動の影響も踏まえた上での海洋生態系の現状を把握(診断)し、経済的・社会的・環境的な側面から見ても万人が納得できる結論を導き出す必要があります。
海洋生態系の現状を把握した上で、人間が自然環境を破壊せず、持続的に海洋から恩恵を受けることができるシステム-生態系本位の順応的生物資源管理システム-を提案・構築することが研究の大目標です。