ホッケ資源の変動要因解明に関する研究

具体的には,仔魚,稚魚,未成魚などいくつかの発育段階の個体を野外で採集し,三半規管にある「耳石」という骨の微細な輪紋を観察し,輪紋幅から日齢(孵化後経過日数)や成長速度を解明する。
本研究施設では,野外採集個体の生き残り条件を裏付けるための飼育実験を行い,成長速度が速い仔魚が生残しやすいといった特徴を解明し,効果的な資源管理方策を提案する。
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221号室
将来にわたって,安定して,ホッケ・ババガレイが漁獲できる仕組みを提案する。
万が一,ホッケやババガレイが激減したら,種苗生産できる体制を整えておく。
これらの取り組みを,他の魚類にも応用し,北海道・日本・世界の水産資源の枯渇を防ぐ。
現在の水産業は,エコラベルの導入にもみられるように,安全・安心を求める消費者の声が届く資源管理が求められている。
函館周辺に生息する有用水産物についても,これまでにも行われてきた「漁業者の収入を安定化させるための漁獲規制」から「消費者が乱獲していない魚種を選んで食べるための資源管理」への変革が迫られている。
そのためには,消費者が納得できる,目に見える形の資源管理が必要であり,そのためにはこれらの有用水産物の生物学的特性や資源状態の十分な把握と情報の公開が必須である。
本研究を他の地域に先駆けて実施することで,「消費者にも公開された持続可能な漁業」を推進し,高い付加価値を産む水産海洋都市の発展につなげる。