新たな養殖用サケマス品種の性能試験
世界の水産物需要は年々高まり、それに伴って生産量も右肩上がりに増加している。その生産量の内訳をみてみると、天然魚の漁獲による生産量は横ばいであるのに対して、養殖による水産物の生産量は増加の一途をたどっている。すなわち、現在の世界における水産物需要を支えているのは養殖による部分が大きいと言える。また、天然資源の減少による資源の保全の必要性からも、つくり育てる養殖業による水産物の生産は重要となってきている。養殖で生産性を向上させるためには、養殖に適した品種の作出が必要不可欠である。本研究では北方圏の養殖対象種のひとつであるサケ科魚類を材料に用い、種間交雑による養殖新品種の開発を試み、それらの養殖品種としての適性・特性を明らかにすることを目的とする。本センターの有する海水供給施設を利用し、海水と淡水での成長比較や塩分耐性、成熟能力などを検討する。