イカ類の摂餌・成長・繁殖に関する飼育実験研究
300トン大型水槽および10トン円形水槽を用いて,スルメイカおよびヤリイカの摂餌・成長・繁殖に関する生物学的特性を,長期飼育によって明らかにする。特に,スルメイカでは,300トン水槽を用いて,産卵行動と産卵された卵塊の水温躍層に対する滞留仮説の検証を行う。
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221号室
○学術振興の観点から目指す目標
スルメイカおよびヤリイカの資源解析と将来の資源予測に資する生物学的特性に関する詳細なデータを取得し,現在の資源評価・予測手法の向上に寄与する。特に,300トン大型水槽に水温躍層を再現し,その中でどのような産卵行動,そして卵塊が水温躍層付近に滞留するかは,世界でも実験例がなく,その成果が期待される。
○学術振興の観点から目指す目標
すでに,これまでの研究から,スルメイカ,ヤリイカとも青~緑のLED照明を忌避すること,この条件で明順応させたイカに赤色LEDを照射すると,その光源に集群することが判っている。
しかし,300トン水槽のような大型の水槽での実験が不可欠であり,得られた成果は,灯火を使うイカ漁業の省エネ化,効率化に寄与できる。
また,新たな灯光としてのプラズマ灯光の有用性を検討し,イカ釣照明の省力化を目指す。
○学術振興の観点から目指す目標
イカ活チャ器による星状神経遮断法は確立しており,その後の高鮮度保存条件の検証を続けている。現段階でも操業・流通現場で利用されているが,さらにより高鮮度を保つことのできるシステムの開発を目指す。
○学術振興の観点から目指す目標
スケトウダラおよびマダラの繁殖生態は,申請者らがすでに公表している。今回の大型水槽での産卵行動の観察は,世界のタラ類でも例がなく,その観察の成果は,世界へ発信できる。