Hakodate Research Center for Fisheries and Oceans

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入居者紹介

221号室

教授 足立 伸次

国立大学法人北海道大学大学院水産科学研究院
国立大学法人北海道大学大学院水産科学研究院
連絡先:
TEL 0138-40-5545(海洋応用生命科学部門・増殖生物学分野)
関連リンク:
北海道大学大学院水産科学研究院・ 大学院水産科学院・水産学部
本社等所在地:
札幌市

本センターにおける主な研究テーマ

  • ・有用魚類の効率的繁殖および養殖産業化のための生殖統御技術開発研究

研究の概要

チョウザメの生殖統御技術開発のための性分化、卵成長および卵成熟の分子機構解析

2010年北斗市で捕獲されたダウリアチョウザメ
北海道沿岸で希に捕獲されるチョウザメの養殖産業化はきわめて有望である。全雌生産や早期成熟誘導技術を開発することで、キャビア生産が効率化する。そこで本研究では、その基盤となる、チョウザメの性分化、卵成長および卵成熟の分子機構を解明し、その結果を基に、全雌生産、早期性判別、早期成熟誘導および安定的良質卵生産技術開発を推進する。将来的には、国内絶滅種ミカドチョウザメの大量増殖と野生復帰を目指す。

ウナギ種苗生産技術確立のための生殖機構解析

現在のウナギの催熟方法では、サケ脳下垂体抽出物を連続注射することで卵を得ているが、受精率や孵化率が安定せず卵質改善が望まれている。そこで、ウナギの人工種苗生産技術を改善することを目的に、天然および養成親魚の生殖生理の解明、卵質改善、および良質親魚の選抜育種などを行なう。

ティラピアの全雄生産技術確立のための性分化機構解析

ティラピアは世界的に重要な養殖魚種であるが、雄の方が大型化するため、全雄生産技術の確立が望まれているが、性決定遺伝子が同定されていないなど性分化機構は不明な点が多い。そこで、その性決定・性分化関連遺伝子を特定し、それら遺伝子が生殖腺の性決定・性分化に果たす役割を明らかにすることを目指す。性決定遺伝子が同定されれば性分化前の個体でも性判別が可能となり、全雄生産技術の確立に繋がる。

北海道に生息する有用魚類の探索と陸上養殖技術の確立

北海道に生息する有用魚類の陸上養殖飼育水を海藻、植物プランクトンおよび様々な濾材などにより浄化する。生産された海藻等をウニ、アワビ、シジミなどさらに有用な水産生物に変換する養殖システムを開発する。このシステム開発には、様々な自然エネルギーを利用する。

研究が目指す成果

○学術振興の観点から目指す目標
チョウザメ、ウナギ、ティラピアなどの生殖(性分化および卵形成など)の分子機構の解明が進むと、全雌あるいは全雄生産、早期性判別、早期成熟および安定的良質卵生産などの生殖統御技術が確立される。

○地域振興の観点から目指す目標
チョウザメ、ウナギ、ティラピアなどの生殖統御技術が確立されると、これら魚種の効率的繁殖と養殖産業化が可能となる。特にチョウザメのキャビアの国内需要は100億円以上にものぼり、世界的にはその10倍にも達することから、大きな産業振興に繋がる。また、ウナギのレプトセファルス幼生は全くウナギとは異なる形態であり、展示することで、教育および観光に寄与できる。