Hakodate Research Center for Fisheries and Oceans

〒040-0051 函館市弁天町20番5号
TEL0138-21-4600 FAX 0138-21-4601

お問い合わせフォーム

入居者紹介

201~207号室

公立はこだて未来大学サテライトラボ

連絡先:
TEL 0138-83-7730(学科室(センター内))
TEL 0138-34-6448(事務局 企画総務課)
TEL 0138-34-6451(事務局 財務・研究支援課)
関連リンク:
公立はこだて未来大学
本社等所在地:
函館市亀田中野町116番地2

本センターにおける主な研究テーマ

  • ・海洋環境と水産資源の見える化による沿岸漁業支援
  • ・生物の行動と情報機能の発現原理 〜単細胞から魚の集団まで〜
  • ・水棲生物生体情報の水産応用

研究の概要

海洋環境と水産資源の見える化による沿岸漁業支援

ICTによる沿岸漁業支援を目的として、海洋ユビキタスセンシング技術の研究開発と、海洋環境および水産資源の見える化に取り組んでいます。代表的な研究成果のひとつに「ユビキタスブイ」があります。ユビキタスブイは海水温や潮流を観測する小型の海洋観測ブイで、主に養殖業で利用されています。現在、実用化に向けて取り組んでいるのが「ユビキタス魚探」と「ユビキタスセンサ」です。ユビキタス魚探は海に浮かべる魚群探知機で、超音波でイワシの群れやイカの群れ、マグロなどを観測します。主に定置網漁業で利用されます。また、ユビキタスセンサは海水温と深度を同時に観測する昇降式の携帯型センサで、主に釣漁業で利用されます。観測したデータはデータベースに蓄積されビッグデータとなり、漁業者はいつでもどこでも情報にアクセスできるようになります。このような海洋ユビキタスセンシング技術の研究開発により、沿岸漁業のスマート化を実現します。

活イカ肉片咬断時にみられる筋電位の経時変化

鮮度の良いイカは歯ごたえがあり強い食感があります。鮮度の低いイカは柔らかく、鮮度の低下は食感の低下を引き起こすことは良く知られています。この鮮度の良いイカの歯ごたえには、組織構造の硬さのみならず、殺処理後もなお筋肉の活動が維持されていて、それが影響している可能性があります。そこで、殺処理後の活イカ肉片の筋生理機能の変化を調べるため、一定時間毎に肉片にプランジャーを刺入し、その時の筋電位を計測しました。その結果、殺処理後30分頃から顕著なパワー低下がみられ、60分後にはほぼ無反応となりました。すなわち45分程度筋電位は生ずることが明らかになりました。更に、筋電位が生じている時はレオメータによる硬さの評価値も高かい結果が得られました。これらの情報は、効果的なイカの鮮度保持技術を開発するために有用な情報として利用が期待されます。

研究が目指す成果

海洋環境の見える化や水産物の鮮度評価、魚群形成の原理解明など、情報科学の応用分野は多岐に渡ります。サテライトラボでは地域資源を積極的に活用した研究に取り組んでいきたいと考えています。一方で、情報科学だけでは、地域産業や地域社会の抱える課題を解決することはできません。地域とのふれあいのなかからニーズを汲み取り、入居機関との連携により広い視野と多様なシーズで地域産業と地域社会の発展に寄与する研究を進めていきます。